訪問看護と訪問介護の違いは、「医療行為ができるかできないか」

これからの時代に必要不可欠となった訪問看護と訪問介護。両者の決定的な違いは、「医療行為ができるか、できないか」です。

この記事では、訪問看護と訪問介護の違いやよくある質問をまとめました。

訪問看護と訪問介護の違いを理解することで、今必要なサービスは何かを判断できるようになります。ぜひ参考にしてみてください。

訪問看護と訪問介護の違い

訪問看護と訪問介護では、実施できるサービスの内容が大きく異なります。

両者の違いをわかりやすく図にしたものが以下の画像です。

(引用:朝日新聞デジタル

ここでは訪問看護と訪問介護の違いがわかるよう、両者のサービス内容を解説していきます。

訪問看護の主なサービス内容

訪問看護は、看護師などの医療従事者が定期的に自宅を訪問し、点滴やリハビリといった医療処置を含めたケアや生活援助を行うサービスです。原則として、かかりつけ医の指示に基づいたービスを提供していきます。

ステーションによっては医療的なケアだけではなく、作業療法士や理学療法士による機能訓練が提供される場合もあります。

基本的には医療処置が中心となるため、掃除や洗濯、買い物などの生活支援は行えません。

しかし入浴介助に関しては、利用者の状況によって行う場合があります。

また訪問看護では、介護と医療の橋渡し的存在として、本人だけでなく家族や介護者へのアドバイスも行うことができます。

そのため、病気や障害があっても在宅での生活を選ぶ場合、訪問看護は欠かせない存在と言えるでしょう。

訪問介護の主なサービス内容

訪問介護は、訪問介護士(ヘルパー)などが利用者の自宅を訪問して、入浴、排せつ、食事等の介助などの「身体介護」や調理、洗濯、掃除等の家事といった「生活援助」を行うサービスです。

原則として、ケアマネジャーが作成したケアプランに基づいてサービスを提供します。

訪問介護を利用することで家族の介護負担を軽減でき、本人にとっても介護士が要介護者を支えることで、ある程度自立した生活を送ることが可能です。

家族の負担が大きい場合や、1人で生活させておくのが不安な場合は、訪問介護が役に立ちます。

訪問看護と訪問介護の違いでよくある3つの質問

訪問看護と訪問介護の違いで、よくある質問をまとめました。

主にサービス内容や自己負担、服薬に関する質問が多く寄せられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。

Q.訪問看護・訪問介護ともにできるサービスは?

日常生活の支援やご相談、アドバイスなどは、訪問看護・訪問介護ともに可能なサービスです。

療養上のお世話

  • 身体の清拭、洗髪、入浴介助
  • 食事や排泄などの介助・指導

ご家族等への介護支援・相談

  • 介護方法の指導ほか、さまざまな相談対応

認知症ケア

  • 事故防止や認知症の相談・アドバイス
介護予防
  • 低栄養や運動機能低下を防ぐアドバイス

Q.訪問看護と訪問介護の自己負担の違いは?(2023.12.21現在)

ここでは訪問看護と訪問介護の利用料の違いを見ていきます。

自己負担金額は地域によって異なる場合がありますので、ご注意ください。

訪問看護(介護保険)を利用した場合

区分利用者負担分1割2割3割
看護師による1回のサービス利用料金20分未満313円626円939円
30分未満470円940円1,410円
30分以上1時間未満821円1,642円2,463円
1時間以上1時間半未満1,125円2,250円3,375円
理学療法等による1回のサービス利用料金20分(1回)293円586円879円
40分(2回)586円1,172円1,758円
60分(3回)792円1,584円2,376円

訪問介護を利用した場合

区分1 回当たりの所要時間基本利用料自己負担(1割)自己負担(2割)自己負担(3割)
身体介護20 分以上30 分未満2,584 円259円517 円776 円
30 分以上1 時間未満4,105 円411 円821 円1,232 円
1 時間以上1 時間30 分未満5,991 円599円1,198 円1,798 円
身体介護1 時間30 分以上(30 分増すごとに加算)864 円87 円173 円260 円
生活援助20 分以上45 分未満1,886 円189円378 円566 円
45 分以上2,323円233円465 円697 円

Q.お薬の管理は訪問看護?

服薬管理は訪問看護サービスの1つです。

覚えておきたい点は、介護士は服薬管理はできませんが、服薬介助は可能です。

〜服薬管理と服薬介助の違い〜

服薬管理とは服薬セットへお薬を振り分けたり、残薬数のチェックをしたりして、利用者さんがお薬をしっかり飲んでいるか確認すること。

服薬介助とは処方されている薬をいつ、何時に、何回飲むかなどを把握したうえで、服薬を手助けすること。

医療処置が必要な方は訪問看護を利用しよう

この記事では、訪問看護と訪問介護の違いについて紹介してきました。両者の大きな違いは、「医療行為ができるかどうか」です。

とは言っても、どちらも介護負担を軽減できるという点では共通してます。もし1人で大変だと感じているのであれば、サービスの利用を検討するとよいでしょう。

病院から退院した患者様で医療処置が必要な場合は、ケアーズ訪問看護リハビリステーションきたみ中央へご相談ください。