訪問看護で使える介護保険と医療保険の使い分けと両者の違いを解説

この記事では、訪問看護における介護保険と医療保険の使い分けについて解説します。

実際のところ、訪問看護は保険制度が複雑で、わかりにくいと感じる方も少なくありません。

介護保険と医療保険の使い分けは、その人の年齢や疾病によって変わってきます。

記事の後半では、介護保険と医療保険の違いについても解説するので、ぜひ参考にしてください。

 

◆訪問看護における介護保険と医療保険の使い分け

訪問看護は赤ちゃんから高齢者まで、必要となる場合であればどんな方でも利用が可能です。その際、介護保険と医療保険のどちらかが適用になります。

たとえば、要支援や要介護認定を受けている方であれば、基本的には介護保険が優先されますし、要支援・要介護認定を受けていない場合や特定疾病などに該当するのであれば、医療保険が適用されます。

また、介護保険で訪問看護を利用していた方が、末期がんなどの特定疾病に該当すると、医療保険に切り替わります。

上記はあくまで基本的な使い分けですので、訪問看護の利用に関しては、訪問看護事業所や担当のケアマネジャーなどへ相談してみると良いでしょう。

 

◆介護保険とは?

介護保険とは、高齢者が介護が必要になった時に社会全体で支えていこうという制度です。

お住まいの自治体(市町村)が運営しています。40歳以上の方が被保険者として介護保険料を負担。介護が必要になった時に、費用の13割を支払うことで、介護サービスを受けれる仕組みになっています。

介護サービスを受けるためには、要支援12・要介護15の要介護認定が必要で、40歳から利用可能です。

しかし4064歳までは、条件を満たした場合のみ該当となります。

介護保険の対象者

  • 第一号被保険者:65歳以上で要支援・要介護認定を受けている。
  • 第二号被保険者:4064歳で※特定疾病により要支援・要介護認定を受けている。

※特定疾病

  • がん(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至った と判断したものに限る。)
  • 関節リウマチ
  • 筋萎縮性側索硬化症
  • 後縦靱帯骨化症
  • 骨折を伴う骨粗鬆症
  • 初老期における認知症
  • 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病

※パーキンソン病関連疾患

  • 脊髄小脳変性症
  • 脊柱管狭窄症
  • 早老症
  • 多系統萎縮症
  • 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
  • 脳血管疾患
  • 閉塞性動脈硬化症
  • 慢性閉塞性肺疾患
  • 両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

(出典:厚生労働省/特定疾病の選定基準の考え方

介護保険の自己負担額

介護保険の自己負担額は13割ですが、所得によって異なります。

しかし、一定以上の所得がある方は2割負担、現役並みの所得がある方は3割負担です。

この時、「自分の自己負担額はどのくらいなんだろう?」と思われるかもしれません。

要支援・要介護認定を受けると「介護保険負担割合証」が交付されます。

介護保険負担症割合に、自身の負担割合が記載されているので、気になった方は確認してみましょう。

第二号被保険者は、所得にかかわらず1割負担となります。

 

医療保険とは?

医療保険とは、病気や怪我で病院に受診した際に、医療費の一部を負担してくれる保険です。

 

そのため、私たちが病院で支払う医療費は、3割負担となっています。

日本は国民全員が公的医療保険に加入する義務がある「国民皆保険制」です。

医療保険には種類があり、職業などによって加入する保険が異なります。また保険によって、保険料や保証内容も異なります。

保険 対象者
健康保険(社会保険) 民間企業に勤める会社員など
船員保険 船員
共済保険 教師などの公務員
国民健康保険 慈恵業やフリーター、フリーランスなど

また75歳以上(および65歳以上で障害がある方)は、後期高齢者が対象となります。

医療保険の自己負担額

医療保険の自己負担額は、年齢によって異なります。

【健康保険・国民健康保険の自己負担額】

対象者 自己負担
0歳〜小学校入学前まで 2割
小学校入学後〜69歳まで 3割
70〜74歳まで 現役並み所得者 3割
上記以外 1〜2割

【後期高齢者の自己負担額】

対象者 自己負担
75歳以上 現役並み所得者 3割
上記以外 1割

 

◆介護保険と医療保険の違いとは?

訪問看護は、介護保険または医療保険が適応になります。どちらが適応になるかは、年齢や疾病によって異なります。

介護保険 医療保険
条件 主治医より訪問看護が必要と判断され、要支援・要介護認定を受けている方。

①65歳以上の方(第一号被保険者)

②4064歳以下の特定疾病がある方(第二号被保険者)

主治医より訪問看護が必要と判断された、以下に該当する方。

①039歳以下の方

要支援・要介護認定を受けていない40歳以上の方

要支援・要介護認定を受けているが、厚生労働省が定める疾病に該当する方

自己負担額 13 069歳以下:3

7074歳:13

75歳以上:1or3

その他自己負担 限度額を超えた分は自費負担 交通費は自費負担
訪問回数 利用制限はないが、ケアプランの範囲内による 3回まで

ただし、厚生労働省が定めた疾病があり、主治医が必要性を認めた場合、週4回以上利用可能

一回の訪問時間 ①20分の訪問

②30分未満の訪問

③3060分の訪問

④6090分の訪問

3090

 

◆自宅療養をするなら訪問看護を利用しよう

訪問看護は、自宅で生活する高齢者にとって、とても安心できるサービスです。

健康状態について相談することで、不安感を解消できるだけでなく、体調変化の早期発見にもつながります。

訪問看護は、介護保険・医療保険が適応になりますが、年齢や疾病などにより使い分けが異なります。

健康管理に不安を感じた場合、関係機関の方へ相談し、訪問看護を利用してみましょう。